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■「全体施術」効用のメカニズム(1)

西洋医学の治療方法は、検査で疾患の原因をさぐり、その原因を取り除くことによって病気を治すものです。これに対し、東洋医学では原因を取り除くことよりも元々備わっている健康状態のバランスを重要視します。

「全体施療」(練習する「基本施術」が基礎)は、身体の不快感を身体全体の調和をはかって取り除こうというもので、まさしく東洋医学的考えといえます。コラム欄で「全体施療の効用」について述べましたが、押圧や関節の操作でどのようなことが身体で働くのでしょうか。そのメカニズムを考えてみます。

●筋肉の緊張がゆるむ。
●体液(血液、リンパ液、組織間液)の流れが良くなる。

筋肉の押圧により血管・リンパ管の体液が拡散して、その部分が虚血状態になります。押圧を解くと体液が戻ってくることで、静脈やリンパ管では、こりの原因となる疲労物質の吸収と拡散が、動脈では細胞へ酸素と栄養素の供給がスムースになります。その結果筋肉の疲労が取れ不快感が消えていく事になります。又押圧により筋肉を物理的に柔らかくして血管、リンパ管を圧迫している状態から解放する働きが同時に行われています。

施術では血液が重要視される傾向がありますが、リンパ液の動きも血液と同じかそれ以上と考えるべきと思います。リンパの働きは、静脈では運べない大きな不要物(蛋白質、細胞の死骸など)を運ぶ下水道的な働きと共に、重要なのはリンパ球という細菌、ウイルスと戦う免疫の働きです。免疫は自己以外のものを攻撃、殺傷、排除し、自然治癒力の中心的役割を持っています。
血液、リンパ液の流れをスムースにすることは、細胞の新陳代謝を促し自然治癒力を高めることになります。


●関節の可動性が良くなる。
●骨格のバランスが整う。

整体は方法や考え方がいろいろ異なっても、骨格の調整という行為がなければ整体とはいえません。「全体施術」では関節の可動制限と可動不均衡が、骨格の歪みの原因との立場で関節にアプローチします。

(1)「全体施術」では関節を可動させる事により、関節の深部に付着している内部筋(インナーマッスル)のポンプ作用が働き、体液の流れを促します。

(2)日常生活では、関節の可動域いっぱいの使用はほとんどありません。可動域限界での動き確保することで、関節の動きが良くなりその働きを強化します。

(3)関節の動きが不均衡なのが骨格の歪みの本質です。関節の可動域を確保しながら左右の不均衡を調べ、左右の骨格のバランスを整えることに注意を向けます。


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